土ドラ「三千円の使いかた」森尾由美インタビュー 言葉にしないと想いは伝わらない。 彼女が考える50代夫婦に大切なこと

ドラマ

資料提供=東海テレビ放送

お金を通して人生や家族のあり方を考えるドラマ「三千円の使いかた」。
「このドラマを見て、お金も含めて将来について考えるようになった」
「節約についての意識が変わった」など注目を集めています。

第3話では御厨美帆(葵わかな)の母・智子が健康診断の結果、
子宮体がんのステージ1だと判明、御厨家に動揺が走るというストーリー。
そんな智子を演じるのは「娘が二人という設定も、ウチと一緒!」という森尾由美。
彼女に御厨智子という役や、今作について聞いてみました。

「智子と和彦はお見合い結婚?」 その問いに監督の答えは・・・

――智子は「自分にそっくり」とのことですが。
「そうですね、まず家族構成が私も娘が二人いて、長女は結婚して昨年孫が生まれましたし、次女は24歳で就職後に一旦家を出たのですが最近戻ってきました。だから「我が家の話?」と思うくらい状況は似ていますね。ドラマを見た長女からは「本人のままでドラマに出ていたね」と言われました。ただ自分とオーバーラップするところもあるけれど、撮影が進むにつれて“森尾由美と近いようで違う”御厨智子というキャラクター作りが、逆に難しいなと感じるようになったんです」

――ご自身と異なる部分は?
「私と同年代の智子ですが、私自身は智子のように夫に敬語を使ったりすることはないかなぁ。そんな細かな部分についても、監督と相談しながら演技を組み立てている最中です。和彦さんは亭主関白ではないけど無口なタイプなので、これまで智子はどんな風にコミュニケーションを取ってきたんだろうと思ったり。また私は智子より感情のスイッチの入るタイミングが少し早いので、智子ならどの辺りまで怒りを抑えるのだろうとか。少し古風な女性という印象があったので、監督に「智子さんと和彦さんは、お見合い結婚ですか?」なんて質問もぶつけてみました。ちなみに答えは、「恋愛結婚(という体)」だそうです(笑)」

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美味しい「消えもの」を前に始まる、即席の料理教室

――撮影現場はどんな雰囲気ですか?
「出演者に女性が多いので、文字通り和気あいあい。撮影の合間に話題になるのは、ほぼ食べ物の話ですね(笑)。朝が早いので、皆でおにぎりを持ってきて現場で食べているのですが、いつの間にか女性スタッフもその輪に加わるようになりました。ホームドラマということもあって食事のシーンも多く、現場にはいわゆる「消えもの」(※使うとなくなってしまう撮影用小道具)がたくさん出てきます。そのどれもが美味しくて。毎回フードコーディネーターの方からレシピを聞き出したりして、即席の料理教室のような状況になっていますね」

――共演者の皆さんの印象は?
「葵わかなちゃんとは何度かお仕事でご一緒させていただいていますが、親子役は初めて。昔からとてもしっかりとされていて、こちらが勉強になります。忙しいはずなのに台本をしっかりと読み込んでいるし、理解力も早いんですね。監督からのリクエストに対しても自分で咀嚼して、インプットしたらすぐにアウトプットができるのはすごいなぁと、ただただ感心しております。中尾さんはバラエティなどで何度かお目にかかっていましたが、現場でも皆をまとめて下さって頼もしいですね。何よりとてもタフということに驚かされます」

智子の変化で、ドラマが大きく動き出す第3話

――今回はホームドラマですが、ご自身が考える「家族にとって大切なこと」は?
「御厨家は今まで話し合いをしてこなかったこともあり、少し歪みが出てきたんだと思うんですね。2話まで見ていても和彦さんってほとんど言葉を発しないし、智子も思っていることを和彦さんに伝えていないじゃないですか。「言わなくても分かる」とか「こちらの気持ちを察してほしい」ではなく、やっぱり言葉にすることが大事。といってもそんな深刻になることではなく、朝昼晩の食事の中で一回くらいは家族で食卓を囲むとか、そんなことから始めればいいと思いますね」

――森尾さんご自身は、お金とどのように付き合っていますか?
「先日、東海テレビの「スイッチ!」(情報番組)で手相を見てもらったんです。そうしたら「お金持ちになるけれど、お金は貯まらない」と言われました。それ以来、有意義に使えるのであればお金は残らなくてもいいと思うようにしています。それと、ちょうど撮影が始まる頃に主人から勧められ始めたのが、「レコーディング・ダイエット」ならぬ「レコーディング・レシート」。レシートを保管して見返すことで、何にどれくらい出費したのかをざっくりと把握するんです。それ以来、自然と「来月は食費を少し抑えよう」などと考えられるようになりました」

――第3話の見どころと視聴者の皆さんへのメッセージをお願いします。
「第3話の辺りから、それまで抑えていた智子の感情というか、地が出てくるんですね。抑えていた感情を吐き出しながら新しい一歩を踏み出そうとする智子が第3話では描かれています。そんなところにぜひ注目していただきたいですね。御厨家は、本当にどこにでもある普通の家族です。そこで描かれる日常には、「あ! これってウチと一緒だ」と思えるような、「家族のあるある」がたくさん含まれていると思います。ドラマをご覧いただきながら、皆さんのお宅にもある「あるある」を見つけてほしいです」

ストーリー
「55歳の智子(森尾由美)は健康診断の結果、子宮体がんのステージ1だと分かる。娘の美帆(葵わかな)・真帆(山崎紘菜)はもちろん、義母の琴子(中尾ミエ)も心配して励ましてくれるが、反応の薄い夫・和彦(利重剛)からは「大丈夫か」の一言もなく不満を募らせる。そんな中、親友の千さと(とよた真帆)から熟年離婚を考えていると聞かされ動揺する智子。航空会社勤務の夫と結婚し、裕福な暮らしをしていたはずの千さとでも、離婚後の生活は苦しくなるらしい。「もし自分だったら」と不安になる智子だったが・・・。
放送概要
【放送日時】2023年1月7日(土)~2月25日(土)毎週土曜23時40分~24時35分(予定)
【放送回数】全8話(予定)
【企画】市野直親(東海テレビ)
【原作】原田ひ香 「三千円の使いかた」(中公文庫)
【脚本】嶋田うれ葉  鈴木裕那  青木江梨花
【音楽】横山克  橋口佳奈
【主題歌】「Choices」 LE SSERAFIM (ユニバーサルミュージック)
【挿入歌】「えっか」 mihoro* (ビクターエンタテインメント)
【演出】村上牧人(テレパック) 室井岳人 柿原利幸 下向英輝
【プロデューサー】遠山圭介(東海テレビ)  雫石瑞穂(テレパック)
山本梨恵(テレパック)
【制作】東海テレビ  テレパック

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