重版出来!「准教授・高槻彰良の推察」爆売れ状態の原作の魅力とは!?

ドラマ

資料提供=東海テレビ放送

完全記憶力を持つ民俗学の准教授・高槻彰良(伊野尾慧/ Hey! Say! JUMP)と
人の嘘がわかる大学生・深町尚哉(神宮寺勇太/ King & Prince)の
凸凹バディによる謎解きミステリー、オトナの土ドラ
『東海テレビ×WOWOW共同製作連続ドラマ 准教授・高槻彰良の推察 Season1』。

第5話「呪われた部屋の怪」では声優志望の女性を演じた鞘師里保と、
不動産屋店主・螢雪次朗、金井浩人ら個性派俳優陣が共演。
准教授・高槻と尚哉とともに一堂に会したクライマックスシーンは約10分間、
5人だけの芝居で見せる構成となっており、視聴者からは
「舞台みたい」「テレビドラマなのに攻めてる」「芝居に引きこまれた!」などの声も。

この「准教授・高槻彰良の推察」、実は原作本も爆売れ状態です。
ドラマ化とともに重版がかけられたものの、予想外の売れ行きに
売り切れになる書店が続出。7月に二度、8月に入ってからもさらに重版がかかり、
出版元も「何度目の重版かわからない!」とうれしい悲鳴を上げているとか。

今回は原作本の魅力について考察してみましょう。

異能×異能による謎解きと人間ドラマの二重奏

そもそもキャラクター文芸とは何か。
小説の分類として最近定着してきた分野で、明確な定義はまだないものの、
総じて主人公やその周囲の登場人物たちが漫画やアニメのように個性的で、
かつ舞台設定も特殊な小説をカテゴライズしたものと言っていいでしょう。

今作は完全記憶能力(瞬間記憶能力)を持った主人公と、
嘘が分かる大学生という凸凹バディによる謎解きミステリー。
それぞれ単独であればどこかで見たことのある設定かもしれませんが、
この2つの異能が重なることで、実は物語が掛け算的に面白くなっているのです。

たとえば原作の「針を吐く娘」のエピソード(ドラマでは「わら人形の怪」として
第二話で放送)では、女子大学生が「針の呪い」に追いつめられる中、
それぞれの「嘘」が謎を深める構造となっています。

面白いのが、「嘘」は必ずしも「悪意」を持った人間だけが吐くものではない、
というリアリティ。その場を盛り上げるため、相手に忖度したため、
人を傷つけないため・・・「嘘」の裏にある人間の弱さ、悲しさを
高槻が完全記憶能力によってその背景を浮き彫りにし、
登場人物が抱える本当の思い、悩みを優しい解釈で救っていく。
このミステリーと人間ドラマの二重奏は、一度はまると癖になります。

面白雑学の宝庫。「へえ!」な高槻の民俗学講義

原作の魅力としてもう一つ上げられるのは、面白雑学を楽しむことができる
高槻の講義シーン。そもそも民俗学とは、
古い文化や民間伝承が歴史的にどう形作られてきたのかを研究する学問。
高槻は幽霊や呪いなどの怪異現象や、都市伝説の研究を専門にしています。

講義シーンでは、実際に作者の澤村御影氏が文献などで調べた都市伝説の
成り立ちなどが細かく高槻のセリフとしておこされており、
実際に高槻の講義を受けたかのような満足感を得ることができます。

出てくるワードもキャッチーなものが多く、
「不幸の手紙」や「きさらぎ駅」、「紫鏡」に「ジェットババア」。
誰かに話したくなる雑学が満載で、民俗学入門書としても充実した作品になっています。

何より「民俗学ってこんなに面白かったのか」と気付かされることもしばしば。
ドラマを見た視聴者からは「大学時代に民俗学の講義を取ればよかった」
という声も多く上がっています。我が子や親戚の子供にプレゼントすれば、
知識欲を育てるきっかけにもなるかもしれません。

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魅力の掛け算。登場人物のキャラの魅力

最後に、この原作の最大の魅力は、登場人物たちの魅力的なキャラクター造形です。

主人公の高槻は「イケメン」「聡明」「博識」なのに
「絵心がない」「怪異に触れると理性がぶっ飛ぶ」など、
イケ要素×残念要素が混在している。実はこの魅力の掛け算が、
登場人物を1カラーにせず、高槻の言動に深みを与えているのです。

バディを組む大学生の深町尚哉は「地味」×「中身イケメン」、
高槻の幼なじみの刑事・佐々倉健司は「強面」×「おばけが怖い」。
「●●なのに△△」と対比するような魅力を掛け合わせることで、
そこにギャップが生まれ、キャラクターの魅力がより際立つ作りになっています。

読者は、そんな登場人物たちのどこかに自分を投影でき、怪異と言うファンタジーの
世界観の中でも素直に感情移入しながら物語を読み進めることができるのです。
原作にはEXエピソードとして主要人物たちのそれぞれのドラマも収録。
自分の推しキャラクターの物語を楽しめるのも、原作の魅力の一つでしょう。

そんな「准教授・高槻彰良の推察」のドラマは、今週第6話。
原作にもある「図書館のマリエさんの怪」をお届けします。
原作オリジナルの都市伝説がテーマで、これまでのエピソードとは一線を画す、
すべての登場人物の純粋な思いに温かな涙があふれる珠玉の感動作になっています。

放送はいつもより20分遅い9月11日土曜24時から(東海テレビ・フジテレビ系)
興味を持たれた方は、FODで過去放送回をチェックしてみてください。

◆第6話あらすじ(9/11日放送)
女子中学生が“図書館のマリエさん”に呪われたかもしれないという話が、高槻(伊野尾慧)のもとに舞い込んでくる。図書館にある何冊かの本に書かれた数字を声に出して読むと呪われるという。呪われた少女・美弥(横溝菜帆)と友人の柚香(平澤宏々路)に話を聞き、謎を解くため図書館へ行く高槻と難波(須賀健太)。一方、数字を読み上げてしまい留守番をする羽目になった尚哉(神宮寺勇太)は、瑠衣子(岡田結実)の様子が少しおかしいと感づき・・・そんな中、高槻は図書館職員の雪村桃子(松本若菜)が何か隠し事をしていることに気付く。
◆番組情報
タイトル:「東海テレビ×WOWOW共同製作連続ドラマ 准教授・高槻彰良の推察」
放送日時:
Season1 東海テレビ・フジテレビ系全国ネット 9月11日(土)よる12時00分 放送
Season2 WOWOWプライム・WOWOWオンデマンド 10月10日(日)よる11時 放送・配信
出演:伊野尾慧 神宮寺勇太 岡田結実 須賀健太 吉沢悠 ほか
Twitter https://twitter.com/tokaitv_dodra
Instagram https://www.instagram.com/dodra_tokaitv/

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