「半沢直樹」でおなじみの脚本家・八津弘幸、10年温めた作品『クロステイル ~探偵教室~』を語る!

ドラマ

資料提供=東海テレビ放送

探偵学校を舞台に生徒たちの成長を描く鈴鹿央士主演『クロステイル ~探偵教室~』
(東海テレビ・フジテレビ系/毎週土曜日23時40分)。
ドラマはいよいよ後半戦へ。今回は原作・脚本を手掛けた八津弘幸にクロステイル!
『半沢直樹』や『おちょやん』など日本中を沸かせ続ける人気脚本家の八津。
その彼が10年前に書き上げ、以来温めてきたのが「クロステイル~」です。
誕生秘話から後半戦の見どころや本作に込めた思いを聞きました。

「鈴鹿君で良かった!」「売れているってこういうこと!?」

――10年経っても「探偵学校がイケる」と思った理由は?
「この10年間でミステリーものとして探偵を描いた作品はあっても、探偵学校をきちんと描いている作品が意外となかった。だからこそ「本当の探偵の仕事って、どういう感じなんだろう?」と興味がより湧きました。実際にドラマ制作でご協力いただいた探偵会社の方々に話を聞くと「浮気調査が9割」とか「へー!」という驚きが結構あったし、警察が解決できない部分を解決する探偵という仕事は普遍的で、今だからこそみんなが興味を持てるんじゃないかという気もしたんです。
人間誰しも人に言えない秘密や悩みを抱えている中で、SNSの発達があり、それこそ暴露系YouTuberなど秘密だったことを公にされたり、それを知った人が完全な悪のようにその人を叩いたりする現状がある。「それってどうなんだろう?」という問いかけになるし、そういう人の弱さを救えるドラマになるといいなと思いました。あくまで僕の中での裏テーマとしてですけどね」

――キャストについて教えてください。
「僕は意外と俳優陣を知らないので、キャスティングはほとんどお任せだし、その人をイメージして書くこともないんです。鈴鹿央士くんはドラマ『ドラゴン桜』の印象が強くて、匡のイメージとかけ離れていたので、「上手くハマるのかな?」と思ったのが最初の正直な気持ちです。でも実際に出来上がったものを拝見したら芝居がすごくお上手で、最初のイメージと180度変わって「本当に鈴鹿くんで良かったな」と思いましたね!

「朋香役の堀田真由さんは、いろんな作品に出てらっしゃいますが、お芝居を見たことがなかったんです。今回のドラマは匡と朋香の掛け合いが見どころの一つだし、実は朋香ってお芝居で表現するのが難しい役。そこを堀田さんは表情一つで器用に表現してくださって、「やっぱり売れている人ってこういうことか!」と感心しました。「キャスティングしていただけてラッキー!」と思いましたね」

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檀れいの演技は「脚本家冥利に尽きる」!?

「檀れいさんは以前もご一緒したことがあり、その時、密かに「脚本的に、もっとこの人をイジってもいいんじゃないか?」と思ったんです。ただその時はそこまで出来なくて。今回の校長はキーとなる役ですが、檀さんに演じていただけるとなって、より拍車がかかりましたね(笑)。変装しかり、怒らせたら怖いキャラしかり。檀さんも楽しんで見事にやってくださっていたので、僕としては脚本家冥利に尽きます。檀さんのお陰であの役が本当にイキイキしましたよね!」

「迅平役の板尾創路さんは『おちょやん』の時も思ったのですが、独特の雰囲気と深みのあるお芝居をする役者さん。僕は早回しのイメージでセリフやシーンをテンポ良くワーッと書くところがあり、全部同じテンポになりそうなところを、板尾さんのお芝居がアクセントとなってメリハリが出る。今回も“板尾節”で僕の書いたもの以上の雰囲気を醸し出して、作品のバランスを良くしてくれていますね。板尾さんには全幅の信頼を寄せ「好きにやってください」という感じです(笑)」

――“お気に入りのセリフ”は?
「まずは第1話で父・迅平が匡に言った『お前なら世界を救える!』。一見大げさな漫画的なセリフで、何言ってんだって感じですけど……匡だけじゃなく、誰しもが実はその可能性を秘めていて、小さなことが気付かないうちに大きな力に繋がっていることもあるんじゃないかと、そんな思いも込めて書きました。もう一つも第1話で、檀さん演じる校長が生徒たちに言う『警察が事件を解決するなら、探偵は依頼者の悩みを解決する』というもの。ドラマの核になっているセリフだと思っています」

――主人公の名前やドラマのタイトルは、どのように?
「僕、名前を決めるのが大の苦手なんですよ(笑)。余裕がある時は姓名判断の本を見たり、こだわる時は「大吉画」など画数まで見て作りますが、今回の主人公・匡は僕のアシスタントがつけてくれたんです。実はドラマのタイトルも(笑)。もちろん僕も探してはいましたが、アシスタントが3つ候補を挙げた中に『クロステイル』があり、一番良いと思ったんですよ。「リスクを省みず近接尾行する」という意味を持つ探偵用語だったので、ドラマにどう落とし込むかという点では大変でしたが、響き的にはすごく良くて。だからもう本当に優秀なアシスタントのお陰です(笑)」

後半戦の見どころは、匡の父が『失踪した謎』

――脚本を書く中で大事にしていることは?
「月並みですが、視聴者が楽しめるかどうか。もちろん自分の書きたいことを、そこにすり合わせていくんですけど、常に「これって僕は面白いと思っているけど、視聴者は本当に面白いと思うのかな?」と自分の中で検査をしている。それはセリフ一つとってもそうなので、書くのがすごい遅いんですよ(笑)。あと、いかにお客さんを良い意味で騙していくかも意識します。とにかくまずは楽しんでもらって、見終わった後に一つでも前向きな答えが見つかるような作品にできたらいいな、という思いで書いていますね」

――ちなみに、ご自身はSNSをよくチェックしますか?
「つい気になってエゴサーチしちゃうんですが、意外と打たれ弱いので「ヤバイ!」と思ったら、すぐ見るのを止めます(笑)。また、すごい先まで展開を予想する方もいて、それが僕の考えていることよりも面白かったりすると、感心しますし凹みますね(笑)。本作はストーリー上、謎はあっても実はそこがメインじゃなくて、探偵自身の人間像を描いているので、その辺が視聴者にうまく分かってもらえるとうれしいですね」

――最後に、視聴者へのメッセージをお願いします
「今までは探偵の卵たちの成長を描く“探偵学校の話”がメインでした。でも後半になるほど“父親失踪の話”が前面に出て来て、その2つが両輪となって走っていく感じになっています。深夜の放送ですし、とにかく楽しんで「へー!」って驚いたり、「探偵って面白い!」と思ってもらえれば良くて、見終わった後にちょっとだけ心に何か残っているものがあればいいかなと思います。あとは「探偵になりたい」と思ってくれる人が増えたら、僕としては「してやったり」な感じです(笑)」

◆第4話あらすじ(4月30日放送)
「あなたがたに行方調査を教えるはずだった講師は行方不明になりました。」 今回の授業テーマは行方調査……のはずが、講師の山田が行方不明になったという。校長の理子(檀れい)は、匡(鈴鹿央士)らに山田を3日間で見つけなければ失格、と厳しい条件付きの課題を言い渡す。匡は朋香(堀田真由)たちと調査を進める中、妻のいる山田が別の女性と逃げたと考えた。が、純子(篠田麻里子)は「奥さんを傷つけるだけ」とその先の調査に反対し、退学覚悟で匡らの調査を邪魔すると宣言する。一方、匡の前には父・迅平(板尾創路)を追う謎の男が現れて……。
◆番組情報
【タイトル】 『クロステイル ~探偵教室~』
【放送日時】2022年4月30日(土)23時55分~24時50分
【出 演】
鈴鹿央士 堀田真由 草川拓弥 篠田麻里子 福山翔大 伊藤正之 遊佐亮介
山口香緖里 ・檀れい(特別出演) 板尾創路

Twitter https://twitter.com/tokaitv_dodra
Instagram https://www.instagram.com/dodra_tokaitv/

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