「映画に愛される街、TOKYO︕ ―アート・キッチュ・エキゾチズムー」 開催記念トークセッションをレポート!

映画

資料提供=ライトフィルム

トルコの俊英監督らが登壇、東京を舞台とした新作を語る!

世界中の映画監督が“東京”を舞台に撮影した作品を集めた特集上映
「映画に愛される街、TOKYO︕ ―アート・キッチュ・エキゾチズムー」が、
3⽉16⽇~29 ⽇まで渋⾕ユーロスペースにて開催されている。
初日の16日には、⽇本・トルコ・ドイツの合作映画
『IGUANA TOKYO ーイグアナ トウキョウー』が日本初公開された。
上映後には、開催を記念したトークセッションが行われ、
来日したカアン・ミュジデジ監督とプロデューサーのカナト・ドグラマシ氏、
同じくプロデューサーの筒井龍平氏が登壇した。

カアン・ミュジデジは、トルコ出身の俊英監督で、
⻑編デビュー作『シーヴァス 王⼦さまになりたかった少年と負け⽝だった闘⽝の物語』で
ヴェネチア国際映画祭にて審査員特別賞を受賞している。

最新作『IGUANA TOKYO ーイグアナ トウキョウー』は、
東京のタワーマンションで暮らす幸せな家庭が、メタバースの世界に⾜を踏み⼊れたことを
きっかけに崩壊していく姿を、ペットのイグアナの視点で描いたサスペンススリラーだ。

カアン監督は、⺟国トルコで、アンタルヤ・ゴールデン・オレンジ映画祭で
最優秀美術監督賞やイスタンブール映画祭で最優秀楽曲賞を受賞するなど⾼い評価を得ている。

2014年に『シーヴァス~』で東京国際映画祭に参加し、初めて来日した際、カアン監督は、
東京の制限された空間の中で人々が生活している、その状況に興味を持ったという。
「東京の興味深い特徴の一つには水がある。ビルが密集した中にお堀があって、東京の中をぐるりと一周つながるように流れている。それから、電車も山の手線のように、密集した場所を円状に電車が走っている。そういうところに惹かれました」と東京への印象を語った。

筒井プロデューサーは「前作『シーヴァス~』は闘犬の話で、ペットである犬が犬小屋という家の外から家族を捉えた映画で、今作では、家の中にいるペットのイグアナの視点で家族を捉えてみたいと聞いて面白いと思いました」と、今作の制作に至ったことを明かした。

作中には「㎡(平方メートル)」というゲームが出てくる。監督から「ゲームセンターの1メートルほどの小さな空間の中で、自分のマインドをフリーにして自由に楽しんでいる姿を見て思いつきました」とその由来も語られた。また、能に魅せられ、何度も足を運んだカアン監督。「2時間ぐらい大きな動きがないのに、それが2時間、3時間となった時にちょっとした動きがとても強烈に感じる。毎回違う動きで、違う印象でした。能の舞台の、時間と空間についてとても刺激を受けました。『IGUANA TOKYO~』は、東京で感じた時間や空間、ゲームの世界とリアルの制限された空間、そういったことをすべて集約した作品といえると思います。絵的なものより、感じたことを表現したいと思ったので、自分が実際に電車に乗って移動して、歩いて“感じた東京”を描いています。」


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“東京”を舞台にした映画作品が渋谷に集結!

「映画に愛される街、TOKYO︕―アート・キッチュ・エキゾチズムー」会期中には、
各分野の専⾨家を招いたトークセッションも多数実施される。
ゲストとして、ホウ・シャオシェン監督作品『珈琲時光』に出演した⼀⻘窈の他、
3 ⼈の⻤才が東京を舞台に紡ぎ出した3 編の物語『TOKYO︕』の上映回では、
映画感想Tik Toker のしんのすけと映画ライターのSYO が登壇。
さらに『都市とモードのビデオノート』の上映回には建築映像作家の瀬尾憲司と
Sister 代表の⻑尾悠美が、『ロスト・イン・トランスレーション』の上映回には
ブロードキャスターのピーター・バラカンと元東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの
⽮⽥部吉彦が、『東京画』の回では映画批評家の三浦哲哉が登壇。
それぞれの視点から“東京と映画”をテーマにトークショーを繰り広げる予定となっている。

『IGUANA TOKYO ーイグアナ トウキョウー』 作品情報

東京のタワーマンションで暮らすエルタンは、美しい妻や可愛い娘に囲まれながらも、
どこかしっくりいかない家族関係に悩んでいた。
ある⽇、家族でメタバースゲームを
プレイし始めたことをきっかけに、⽔道から⿂が⾶び出したり、妻がSM プレイに
⽬覚めたりと、奇妙な出来事が続発する。
やがて家族3⼈それぞれのどす⿊い欲望が噴き出し…。

監督の地元トルコでは、アンタルヤ・ゴールデン・オレンジ映画祭で最優秀美術監督賞、
イスタンブール映画祭で最優秀楽曲賞を受賞するなど、審査員の圧倒的な⽀持を集めた
狂った世界観を「哀れなるものたち」も担当したヨルゴス・ランティモス監督の盟友、
ヨルゴス・モブロプサリディスによるツイストされた編集が、
さらに謎めいたものにしている。原題︓IGUANA TOKYO
監督︓カアン・ミュジデジ
出演︓エルタン・サバーン、サーデー・アクソイ、デニス・ウルクほか
2022年/74分/ドイツ・⽇本・トルコ合作/カラー/DCP
配給︓トリクスタ ©COLOURED GIRAFFE/trixta/ASTEROS

『映画に愛される街、TOKYO︕ーアート・キッチュ・エキゾチズムー 』

いつの時代も⼈々を惹きつけてやまない東京/TOKYO。洋の東⻄を問わず、この街に魅せられた多くの映像作家たちが東京を舞台にバラエティに富んだ作品を⽣み出してきました。あらゆるものを貪欲に取り込み、変化し続ける東京は元来、多様性を体現してきた街でもあります。映画の中で東京/TOKYO という街が被写体・背景としてどのように描かれてきたのかを改めて⾒つめることは、街の魅⼒を再発⾒すると共に、東京で暮らし、あるいは憧れを抱いてきた⾃らを⾒つめ直すことにも繋がるのではないでしょうか。“⽂化の坩堝”とも称される渋⾕の地で、世界中の映画を上映し続けてきた⽇本で最も⻑い歴史を誇る独⽴系映画館のスクリーンに、いつかの⾃分を⾒つけてみませんか。

■期間︓3⽉16 ⽇(⼟)〜3⽉29⽇(⾦)
■会場︓ユーロスペース (〒150-0044 東京都渋⾕区円⼭町 15 3F
公式HP︓
http://www.eurospace.co.jp
■上映スケジュール︓http://www.eurospace.co.jp/works/detail.php?w_id=000764
■⼊場料⾦︓⼀般1,600円/⼤学・専⾨学校⽣1,300円/会員・シニア1,300円/⾼校⽣800円(オンラインは900円)/中学⽣以下500円(オンラインは600円)
特別上映「あなたの東京、私の東京」は500円均⼀
主催︓ユーロスペース
共催︓トリクスタ、ライトフィルム
助成︓公益財団法⼈東京都歴史⽂化財団 アーツカウンシル東京[芸術⽂化魅⼒創出助成]
協⼒︓(五⼗⾳順)シネマトリックス、松⽵、東京テアトル、東北新社、
トランスフォーマー、
パンドラ、ビターズ・エンド、ロングライド

<上映作品⼀覧>
『IGUANA TOKYO ―イグアナ トウキョウー』カアン・ミュジデジ監督
『TOKYO EYES』ジャン=ピエール・リモザン監督
『TOKYO︕』ミシェル・ゴンドリー監督/レオス・カラックス監督/ポン・ジュノ監督
『ライク・サムワン・イン・ラブ』アッバス・キアロスタミ監督
『ロスト・イン・トランスレーション』ソフィア・コッポラ監督
『書かれた顔 4K レストア版』ダニエル・シュミット監督
『神々の⼭嶺 』パトリック・インバート監督
『都市とモードのビデオノート 4K レストア版』ヴィム・ヴェンダース監督
『東京画 2K レストア版』ヴィム・ヴェンダース監督
『⼆郎は鮨の夢を⾒る』デビッド・ゲルブ監督
『不思議なクミコ』クリス・マルケル監督
『珈琲時光』ホウ・シャオシェン監督
スペシャル・スクリーニング『あなたの東京、わたしの東京』(ホームムービー特別上映会)

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