資料提供=東海テレビ放送
ある日、夫が女性になったら…⁉
夏菜、新川優愛、白洲迅がトリプル主演する土ドラ『個人差あります』は、
突如、性別が変わってしまう「異性化」に翻弄される夫婦の物語。
大浦龍宇一が演じるのは、晶の頼れる上司「澤俊之」、
そして澤の別人格で女装した「スミレ」役。
第五話では、妻・苑子(新川)とのセックスで再び女性の姿に戻った晶(夏菜)。
苑子は以前、晶が出張先でリバースし、男性になったキッカケが
“浮気”だったことに気づき、家出してしまいます。
悩む苑子に編集者の菊原(鶴田真由)は、スミレ(大浦龍宇一)を紹介、
二人は意気投合していきます。
「とても充実した撮影を送らせていただいています」と話す大浦に、
澤とスミレの心の機微、演じ方などを聞きました。
※リバース…異性化した人間が元の性別に戻ること
「物語はとても刺激的ですが、人の弱さを包み込んでいるドラマ」
<大浦龍宇一 インタビュー>
――晶の上司・澤を演じながら、女装する「スミレ」という別人格を演じてみて、いかがですか?
「とても楽しく演じさせていただいています。個人的には、シングルファーザーで息子を引き取ってから、連ドラは基本的には引き受けられなかったという状況でしたが、今回8年ぶりぐらいにレギュラーのお仕事をさせていただき、しかもこんなにやりがいのある役をいただけて本当にうれしいです」
――「澤」と「スミレ」、演じ分けのプランなどは?
「最初に監督とお話した時に、「第五話まで、澤とスミレが同一人物と視聴者にバレないでほしい」という話がありました。その区別ではないですが、まずは澤の声を低く話すことから始めました。ただ、声のトーンを下げると(人物が)固い感じになってしまう。その辺は彼のキャラにはないので苦しかったです。ただ、スミレになってから結構喋るようにもなりましたし、第五話を乗り越えた時に、女装をしたスミレではないですが、僕にも解放感はありました(笑)」
――スミレを演じるうえで、気を付けたことは?
「こういう役は、見えたものにとらわれがちなので、“見た目を演じるのではなくて、心を演じなくてはいけない”と思います。そして僕は女性を演じているのではないというところですね。
澤は40歳を過ぎてから、ある日突然、女装で解放感を感じました。なぜ突然そうなったのか? やはりかなりのストレスがあったのだろうと、気持ちを考えました。そして澤が抱えている劣等感や閉塞感から解放されるには、少女のような素直な感性で、感じたことをそのまま発言できるような女性・スミレになることだと思いました。
元々、澤は感性豊かな人。そこが解放されたような気もします。ただ、スミレでいるために周りからは変な目で見られ、それは仕方がないと思っていることや、そんな自分を認めて欲しいと思う気持ちもある。サトミ(苑子)と出会うことによって、新たな気持ちが芽生えて葛藤してしまう。とても素直な人だと思います」
――最初にスミレになった時の心境は?
「スタッフさんが「かわいい、かわいい」と言ってくれたのでうれしかったです。被り物は似合うかなという自信はありましたが(笑)、時間をかけてスミレを作ってくれるメイクさんのお陰です。実は原作の澤部長は眼鏡をかけていますが、僕が眼鏡をかけると、なんだか昭和の男性っぼくて「眼鏡は外しだね」と監督に提案しました。でも眼鏡を外すということは顔が全部見えてしまうということですから、ハードルは高い。その部分は僕の挑戦でした」
――改めてストーリーの感想をお聞かせください。
「僕は原作の『個人差あり〼』がとても面白いと思っていて、ぜひ(原作者の)日暮キノコさんにお会いしたいと思っていました。そうしたら日暮さんが撮影現場に来てくださる機会があり、とてもうれしかった。台本にサインもいただきました(笑)。この原作が素敵だと思ったのは、あまりない切り口で、いろんな人間の弱さに光を当てながらもちゃんと全部を包んでいるところ。普通に見えてみんな傷ついていて、誰もが闇を持っている。雪平(馬場徹)なども普通っぽい人ですが、実は一番闇を持っていそうな気がします。
一般的には、吐き出せるところがなくて人は苦しんでいるものですが、この物語にはどこかに吐き出せる要素がたくさんあり、とても面白いと思いました。ちなみにスミレのセリフは、ほとんど原作のセリフを活かしているんですよ」
――澤の“個人差”から生まれたスミレですが、澤に共感は?
「できます。今回スミレになるために胸も入れて下着もつけて、スカートにヒールも履いて・・・ちなみに腕の毛も剃ったんですけど(笑)、そうするうちに足を閉じて綺麗に見せたいなど、女性らしい意識が芽生えてくるのが、とても新鮮でワクワクしました。「かわいい」と言われるのも悪い気はしませんしね。ただ今僕が30歳だったらもっと良かったのにな、とは思いました(笑)」
――視聴者の皆様にメッセージをお願いします。
「物語はとても刺激的ですが、人の弱さを包み込んでいるドラマだと思います。キャッチーな言葉というより、温かさの中にメッセージがあって、「あなたが今、こうだったらどうするの?」と、作品の役がそれぞれ問いかけているような気がします。そしてそのメッセージを問いかけているのが、皆さんよりきっと弱い立場の登場人物、スミレであったり、晶、雪平であったり・・・。だからきっと受け入れていただけるのではと思います」
苑子(新川優愛)は女装した男性のスミレ(大浦龍宇一)に心を許し、晶(夏菜)の浮気について愚痴った時、つい「本当なんですね。“男は浮気する生き物”って」と洩らす。するとスミレに、「男って〜」「女なんて」と安易に決めつけた言葉を叱責されてしまう。
一方、晶は仕事に没頭。女として体感したことを活かし、雪平(馬場徹)に新商品としてコスメを提案する。そんな折、苑子と別居したことを知った両親が晶に会いに来る。母・光枝(長野里美)は、晶と生活することで苑子が母親になる可能性をなくすことを危惧し、「別れることが愛情ということもある」と諭す。その言葉が心に沁みる晶。晶と苑子、夫婦の選択は……?
【放送日時】2022年8月6日(土)~9月24日(土) 全8回
毎週土曜23時40分~24時35分(予定)
【放送回数】全8話(予定)
【企 画】市野直親(東海テレビ)
【原 作】日暮キノコ「個人差あり〼」(講談社「週刊モーニング」所載)
【脚 本】ひかわかよ
【音 楽】yuma yamaguchi 犬養奏
【主題歌】「曖昧な2人」 JUNNA (フライングドッグ)
【挿入歌】「魔法のアト」 ビッケブランカ (avex trax)
【演 出】山内大典(共同テレビ)
知ってるワイフ(CX)サイレント・ヴォイス(BSテレ東)しもべえ(NHK)
紙谷 楓(共同テレビ)結婚相手は抽選で(THK)竜の道(KTV)しもべえ(NHK)
【プロデュース】河角直樹(東海テレビ) 水野綾子(共同テレビ)
【制 作】東海テレビ 共同テレビ